大槌に、鳥は啼かない
これは震災後3週目の、大槌町の写真です。現在はもう少し、いやもっとずっと状況は改善しているはずと思って、見てください。



震災直前に部分開通した、三陸縦貫自動車道の「釜石北IC」を降りると、
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そこはすでに、普通の町の様子ではなかった。 鵜住居川を埋め尽くす、不気味な瓦礫。
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土砂に突っ込んでいるトラック、なにか荒廃した気配のアパート。
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よく見れば、階段踊り場の目隠しの板は吹っ飛び、三階まで一部浸水したようなあとがある。
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直進して出た国道45号線。右方向、鵜住居からも、かなりの数の車が来る。 しかし、
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自動車道から、途中ちらと見えた鵜住居は、相当なダメージを受けていたように見えた。海際を走る国道は、どの程度使えるのだろう。
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T字路に津波後設置されたと思しき、ガードレールと即席の案内板。両石はほぼ壊滅したという。
45号線にあったコンビニ・弁当屋・日産・海側の釜石自動車教習所など、あとかたもなし。
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山側に、かろうじて校舎らしき物が。
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三陸電業。

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打ちっ放しのゴルフ練習場? なぜかあまり影響を受けてない。
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大打撃を受けた、山田線。あの丈夫なレールが吹っ飛んでいる。
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この家は、どこから来たのだろう。
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完全に、線路を塞いでいる。 しかしこの家がなかったにせよ、
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落ちた鉄橋で、山田線は終わっているが。

大槌町へと、降りていく。
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建物の形を残しているものとしては、このスーパーは1つの象徴かも知れない。 上半分の日常を感じさせる部分と、
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建物下部と駐車場に起こっている惨事との落差が悪い夢のようだ。
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津波は、この坂道に面したスーパーの駐車場に、家・車・船とありとあらゆるものを叩きつけていった。
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有り得ない密度でひしめき合う屋根・屋根。 その下に家としての空間が残っているとはとても考えられない。
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そう、そして、ここから大槌の町に降りてゆく。


よく、想像を超えた と舌筆に尽くしがたい とか言う。
あまりそう言う言葉は使いたくないが、人間の想像力というのは、入れ物の個人差はあっても、大きさに限界があるのだなと知った。

自分の器を遙かに越えたことは、なにが起こったかを言葉で了解はしても、決して腑に落ちない。納得できない。
どう受け取っていいのか分からず、ピンとこない。恐怖や痛ましさも、遙かに遠い。

それが、大槌の町だった。
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丁寧に除けられた瓦礫。
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焼けて、綺麗に鉄骨だけになった建物。
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赤茶けて、風化した砂漠の中の廃墟のような、家。
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町の守りにはならなかったのか。 異様に被害のない小槌神社。
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電信柱がある、陸前高田よりいいのかと瞬間、錯覚したが、これは復旧した物。
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真新しい電信柱の横をタクシーが走る。どこから来たのだろう。
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県道280号沿いに立ち並んでいた商店街は、津波のあと発生した、ガスボンベなどの爆発・炎上で焼けこげ原形を留めない。
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町立大槌小学校。
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何階部分か分からない、建物の一部。

そして、あまりに完璧に焼けこげてしまい、
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悲劇の現場と言うよりは、ものすごく上手く出来ている震災テーマパークのようにさえ見える、現実と乖離した静けさ、空虚さ。
本当にここには、3週間前まで人がいたのだろうか。生活があったのだろうか。何年も前からの廃墟のように、津波は、火災は、
全ての生き物の気配、生々しさを奪い尽くしてしまった。
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東日本銀行大槌支店。
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懸命に働く自衛隊員の姿も、瓦礫にとけ込んだ風景の一部に見える。
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引き波が残していった、無惨な残滓。
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県立大槌病院。 機能しているのでは、と淡い期待を持たせるが、二階右端の窓を見ていただきたい。
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大きな建物の間を埋め尽くす、形も意味もなくした物たち。
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バイパスの下をくぐり、大槌川に沿って上る。
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町立大槌中学校付近。
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津波は、ここまで上がってき、多くの遺物を残していった。 あたりの光景は凄惨を極める。
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そして、突然、
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ひっくり返った車のかなたに、平和な地面が現れる。 あの角を曲がった先には、惨状はない。
浸かった家財を外に出す風景があり、縁側で穏やかにお茶を飲む家人の姿がある。 死はそこまでは来なかった。
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どれだけの人数が、この看板で助かっただろう。。。。。



ここからは、来た道を戻ります。
歩いている人もいない、犬や猫や、鳥の気配もない、静まりかえった、いや無音の町を黙って歩いてみてください。

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この街が元通りに復興する、という夢は、ひとりひとりが、町全体が、県が国が、総力を挙げて関わらないと到底不可能でしょう。
そして、そんな町が、果たしていくつあるのか。。。。。 それを想像することも、また人間の限界を超えていると思われます。

ふたたび、鳥が飛び、さえずる朝が迎えられる町になりますように。
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by degipochi | 2011-04-10 00:52 | 大槌町 | Comments(8)
Commented by りんまま at 2011-04-10 09:48 x
木々の高い位置の洋服、
三陸町もまだそのままでした。
救助犬が捜索に入った話しも聞きました。決断の時期がきているのでしょね…
宮城は被災地が観光客で賑わうと言う、理解不能な状況が起きているようです。
瓦礫の山の中で騒いで、記念撮影をしている輩が出現しているとか…世も末です。
日常に忘れられていくことが怖いです。
Commented at 2011-04-10 23:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by たまりん at 2011-04-11 12:37 x
おつかれさまでしたっ!
いっぱい写真撮っていただけたんですね。
先日、マリちゃん達が来た時に通行止めだった両石に仮設の道路が通ったのでそこを通って大槌に行ってきたよ。
もうね、・・・なぁんもなかった。
してね、水門があった防波堤部分がぶっ壊れて海に浮かんでた。
なぁんも言えなかったよぉ~
Commented by misobenz at 2011-04-11 17:37
テレビでも見ている映像なんでしょうが
なんでブログの方がリアルなんだしょう・・・
1ケ月たってもまだ大きい地震があり
被災地の方達もまだ不安な事だと思います
とにかく早く復興を祈るばかりです。
Commented by degipochi at 2011-04-12 10:05
りんまま さんへ
え、そんなバカが?と信じられなくて、ネットニュースとか検索してみました。ホントだ・・・・・ どこまでバカなんだ。
なんかねぇ~人の痛みが想像できなくなった、ていうのと、程度が違うような気がする。壊れてますな。生き物として。
そしたらとたんに、忘れるなと言わんばかりの、余震の嵐。
これ、どうなっていくんでしょう。そちらもまた不安と思いますが、
おかあしゃんの小名浜が揺れてます。 あーいやだーなのよ。。。
Commented by degipochi at 2011-04-12 10:08
鍵コメさんへ
ありがとうございます。 大したことは、、、できたかどうかよく分かりませんが、頑張ってきました。
また、現地で受ける衝撃というのは、喜怒哀楽ではなく、なんだ?これは??というとまどいでした。
キャパ越えた、てことらしい。 その後、じわじわと来てます。
こちらこそ、ありがとうございました。
Commented by degipochi at 2011-04-12 10:12
たまりんさんへ
あぁ通行止めが、解除になったんだぁ~。
まだまだ先のことだと思ったけど、道路や電信柱や、復旧頑張るなぁ。早いなぁ。
でも、町は、まだまだ立ちつくしてる感じだよね。
いっぱい撮った写真が、いつまでそのままなのか。 次に行ったら、すっかり変わってるのか。
え、ここがあの?ていうくらい、良い方向に変わっていて欲しいと、心より願う次第であります。 また、行くね。
Commented by degipochi at 2011-04-12 10:16
misobenzさんへ
昨日も本日も揺れておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
とくに、昨日の5時頃のやつなんか、うわまた来たぁって思いませんでしたか?
これ、忘れるんじゃないぞ。て警告されてるような気がして仕方ない。
りんまましゃんも言ってたけど、もうすっかり忘れてテーマパークみたいな勘違いしているバカちんが、いっぱいいるとか。
いや~マジでありえないし。 そう言う方は、ぜひ
「魚市場のイカがいっぱい流されて住宅街のすみずみまで、トイレや押し入れまでイカだらけになって一ヶ月」
なんちう場所にボランティアとして行って欲しい。 実感できてよ。まさにリアルに。


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