帰ったらちょうど話題になってた、三鉄の北リアス線2014年復旧宣言と、JR東日本のバス路線転向指針は、今回の旅行のテーマでもありました。 町に駅があり、駅に人が集まり、電車が人を運び物を運ぶ。この当たり前が、当たり前でなくなる時、町は翼を足を失ったようなものだと思うのです。あまり報道されない「地名の付いた駅」を尋ねました。
3月13日(火) この日は、近場(陸前高田と大船渡)をじっくり回ろうという日です。天気も良いし雪もなさそう(同日、田老は大雪だったらしい)だし、 割と余裕を持ってスタートいたしました。 また繰り返す光景、そして日常。 にしてもビックリなのが、この教習車。確かに、高台に教習所は、ある。でも走るのがこことは。いや、もっと仰天したのは、 11日のあの雪混じりの悪天候の下、「一般車両進入禁止」と書いてあった被災した市街地から、教習車が出てきた時です。 そのルートは、有りなのか? オープンして間もない本屋と文具店。 ここは滝ノ下よりも竹駒に近く、少しずつ「街」が上流に向かって拡大していく真ん中あたりにあります。 中もかなり充実、特に文具店部分の品揃えは「楽しそう」でした。 バイエルの表紙のちっちゃなメモ帳とか。 ちょっとした小物を手にして、思わず笑っちゃうこと、ありますよね。 そんな品揃え。そして頭上には一本松をデザインした手ぬぐい。 それから、ほかほか弁当の仮設、なぜかバスで営業してる「高田そば」。 すっごい興味あったんだけど! 残念、まだ営業時間でございません。 次回の機会。 よく見れば、あちこちに看板・横断幕。これも、あまり報道されませんよね。 感謝を知って欲しくて掲げて居るんでしょうに。 確実に、仮設店舗は増えていっています。 生活に必要な物が、ここに来れば手に入る。そんな安心感が出てきています。 この写真だけ切り取ってみると、なんだか普通の郊外の風景みたいでしょう? どこにでもある、光景。 で、それを見て安心したいこちら側(視聴者・読者・閲覧者)の心理はあるとしてもですね。 それだけで済ましてはいけない、対極の光景もまたある。と言うことを、やはり発信しなくてはいけないと思うのです。 だってそちらの方が、圧倒的な部分を占めているのですから。その中にかすかに発芽した、風に揺れるふたばなんですから。 陸前高田の駅に向かいました。 日曜にはあった「進入禁止」の看板は、あらかた無くなっていました。どうも、訪問者が増えるに従って起こるであろうトラブル・ 事故などを恐れて立てた物のようです。普段の市街地(被災エリア)なら立ち入る理由も無いけれど、この数日はそれぞれの場所へと 花を手向ける人が後を絶たないのですから、立入禁止ということは無いでしょう。 四月、先導車が間違って進入してしまって以来、初めて入る市街エリア。 間近に、市役所・マイヤが見えます。 この公団?かな。 一階に住んでいたという家族のインタビューがありました。毎月11日に家族でかつての自宅を見に来るけど、 「全然あの日のまんまなんだよね~」と話してましたが、本当に4階にいたるまでまったく手付かず。 一年、経ったとは見えません。 陸前高田、駅前。 小さな、可愛らしい駅だったと聞いています(陸前高田駅)。 駅前のロータリー。タクシーの代わりに、停まっているのはダンプだけ。 ホーム。 すでにレールも枕木も、撤去されています。ただガランとした地面と空が広がっているばかり。遠くに瓦礫の山。 ところで。遠くにずっと、ひとり歩く男性の姿が写っています。たまたま同時に、電信柱のある道路から車列をはずれ、砂埃の中、 この駅のあった場所にやって来た彼は、ずっと俯き、なにか確かめるように駅の周りをホームを駅舎のあったあたりを歩いてました。 それだけです。 ・・・・それだけですが、その姿は目に灼き付いて離れません。 大船渡線は、沿岸のあらかたの線路も駅も、失っています。でもJRのHPを見れば、「運転見合わせ中」。 まだ復旧しないんですかね?という話が出ることもありますが(ネリマでね)、「見合わせ中」という言葉からは、 たしかにこの絶望的な状況は量れないでしょう。写真載せなくてもいいから、もうちょっと具体的に書けないもんですかね。 さて、この後、大船渡に向かいます。 盛駅(くどいようだが、さかりえき。もりじゃないから)近くの45号線。 盛駅最寄りのスーパー、サンリア。 そして、盛駅。 賑わってます。タクシー・車も多く、観光バスの姿も。Marubayashi? ツアーバスなのか、近隣からの送迎か、ちょっと分からない。 で、これも何度も書いてますが、「盛駅」は駅としては機能していません。三鉄・JRいずれもです。それでも、駅が有れば人は集まるんですね。特に「ふれあい待合室」のできた三鉄は、他にはない温かな活気に満ちてます。 まず、駅前のよしの珈琲さんにて腹ごしらえ。 ようやく、4回目にして初めて、店内で食事できる♪ 匂いも分かるしベストコンディションといえよう。 ・・・・・私はね。 おかあしゃんの方は、相変わらず「気持ちが悪いような食べたく無くないような、でもお腹は空いたような」状態。 風邪の抜け際、小柴故湯(しょうさいことう)の証だなと思うけど、薬ないし。まぁ丁度いいダイエットじゃないすか? 待ち合わせたももちゃんと、ゆっくり話す。これも、初めて。いつもドタバタとせわしないもんねぇ。 で、車をももちゃんカーに乗り換え、解説付きで大船渡の街を案内してもらうことに。 いや~これは助かりますよ~。 なにせ以前、9台のキャラバン率いて、水没した橋の下に突入しかかったからね。地元では有名な場所でも、部外者にはわからない。 そして三度向かう、大船渡。 ずいぶんスッキリと、綺麗になったんですよと言う。 撤去が進む瓦礫、真新しい電信柱、積まれた土嚢。 たしかに様子は大きく変わってきました。 それでも、 残っている建物で、なぜこれが・・・・・という物も、まだありますが。 海にほど近いところにあり、奇跡的に残って、なおかつ再開も早かったという、ホテル福富。 ホテルの裏には、すぐ川があり、 手すりは飴のようによじれたまま、 土手は流れたまま。 それでも、ホテルを再開させる。その信じられない馬力は、どれくらい「宿泊する場所」が渇望されてるかを、示しているよう。 大船渡プラザホテル こちらも再開。HPも一新、内装も華やか。でも、土木関係者などで長期満員。 一般客が気軽に泊まれるのは、もうちょっと先かも。 で、ホテルの裏側。 というよりも、かつてのホテル正面側。 こちらは瓦礫が無くなったけれど、あまりに表と違う様子です。 裏側、道路を挟んで向き合って建つ、スーパーマイヤ。 こちらも、まだ・・・・・・ 大船渡は水没の被害が大きく、夕方になると主要道路が水の下になってしまい、全く市街地を走行出来ない状況が続いていました。 それを、道路を1㍍上げることによってなんとか解消。水に浸からずに走れる状況になったそうです。 ももちゃん、道路脇を指さし、この辺もお魚がいっぱい跳ねてたんですよ~と。 町中です、駅前ですよ。それ。 で、駅前。 ここも駅舎無し、改札を含むすべての設備がありません。 陸前高田と違っているのは、 線路が残っていることです。 しかし、そのレールは錆び付き、ひん曲がっています。この線路の上を盛駅まで、何百台という車が流され嵌りこんでいたというのは、全く想像できません。ただ、線路に そっと置かれた花が、萎れて寂しそうに頭を垂れています。 駅の向こうが、よく見えます。 ちょっと見にはわからないけど、二階まで戸板の張った家有り、 綺麗にはなったけど3階まで浸水したアパート有り。手前の棟はリフォームしてますが、後ろの棟の3階、ご覧下さい。 この駅が復活するのは、いつなのか。 いや、そもそも復活する日が来るものなのか、 一年前のこの駅がどんなだったか、思い出せないとももちゃん。 あれ~どうして思い出せないんだろ。線路、複線だったかな。 ななちゃんがおっきくなった時に、前の駅はこんなだったよ。と教えられるのか、ここに駅があったんだよ、と言うことになるのか。 それはまだ、誰にもわからないわけです。 ただ、破壊された建物が解体されて撤去されたあとは、 あたかも最初から、何もなかったような無色な荒野になってしまう。そんなふうに、 ここに駅があったらしい、なんて語り合う将来は、決して町にとって明るい未来ではない、と思います。 駅は、町の顔です。 さて、このあと大船渡後半。 明るい話題をお知らせします♪ かつての陸前高田駅
by degipochi
| 2012-03-22 23:57
| 大船渡
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Comments(14)
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犬扱いの母
at 2012-03-23 07:28
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大船渡駅はタクシー待機してますよ~!
屋台村で食事してタクシー呼んだらすぐ来てくれました。 駅で昔の仲間とおしゃべりしてた、見える人には見えるんだよって。 当日は、タクシー浸水してきたので降り、そばを流れていく車から女の子二人を引っぱりだして、近くの屋根によじ登り一晩過ごした・・・、壮絶なお話をされていました。 この車、その時の車だよって・・・!
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たまりん
at 2012-03-23 12:07
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あ~っ、大船渡ばっちり晴れとる~っ!
さてはマリちゃん、前日は気合が足りなかったなぁ~っ? (そぉゆぅ問題?(* ̄m ̄)ノ) そうそう、震災当日、大船渡プラザホテルの屋上に避難した 方達は食料などがもちろんなく。。。そしたら、向かい側の マイヤの屋上に避難してたマイヤの人が、ロープを渡し 買い物カゴに食料を入れて渡してあげたとか、テレビで やってましたぁ~ 大槌駅も高田の駅みたくちっこい駅舎だったよ(^。^) (つか、田舎だからどこも似たようなもんかww)
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degipochi at 2012-03-23 12:34
犬扱いの母さんへ
ま、時間によるでしょ。けせんライナーの到着時間とかは、いてくれるとありがたいし。 タクシーは町の大事な足だし、情報源だし、乗るチャンスは自家用車で動くこちらとしては、あんまり無いけど。 知っている話・聞いた話でも、重い話が多いことでしょう。これも、たいへんな職業だと思います。
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degipochi at 2012-03-23 12:39
たまりんさんへ
そっか、プラザホテルは食材がなかったんだ。 南三陸のホテル観洋は、宿泊客・避難してきた方々含め、何百人単位の人数を数日間 賄いきったと聞きましたが、場所場所で違うんですな。 マイヤからのロープ、どうやって渡したんだろう。。。。 後となっては記録されない、いろんな苦労があったんですねぇ。 大槌の駅も、見ました。あれ、シャケ? 駅舎にシャケがはずんでた。 なかなか洒落た駅だったのにね。。。 なんにも無かったね。
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at 2012-03-23 17:12
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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りんまま
at 2012-03-24 00:17
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そういや最初からおかあしゃんの写真には駅や感謝の横断幕のお写真が多く撮られてますよね。
駅って、電車が来て乗り降りするだけの場所じゃないんですよね・・ あっ、そういや今晩、地鳴りが凄いんですけど・・ マリちゃんはいかが??
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47__xxy at 2012-03-24 15:43
お陰様で、近々帰省可能な状況になりました。
いつ行くか等の旅程は未定ですけど。
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degipochi at 2012-03-24 17:47
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degipochi at 2012-03-24 17:50
りんまま さんへ
おかあしゃんのお父さん、ま、いわゆるじぃじちう方がですな、「鉄っちゃん」です。その血はあるだろう。 そして、横断幕。 最初の頃は手書きで、ば~んと書いてあった。 しかも一文字ずつとか地面に刺してあったりして。 だんだん洗練されて、今回はだいぶ控えめになって印刷になったりして、でも見ればあちこちに。。。 報道しようよ、石巻のでっかい看板だけじゃなくってさ~。 と思うです。
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degipochi at 2012-03-24 17:52
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kohalubiyoli at 2012-03-26 08:49
やはり以前の写真と見比べると心潰れるような感覚に襲われます。
そしてその場所に以前立ったことがあり、その時にもしもこのような災害が来ていたらとか考えると足が震えてきます。 災害はどこにいても来るときゃ来ますけどね。 しかし変わり果てた状態を見るとねぇ。。。いろいろと考えてしまいます。 いやあ、厳しいなあ。帰省はまだ無理かなあ〜。ショックで精神的に壊れてしまいそうですわ。
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degipochi at 2012-03-28 14:23
kohalubiyoliさんへ
お返事が遅くなりました。 そう、おかあしゃんも自分で言っているように、「その前を知らないから、ショックだと言いつつシャッターが切れる」んでしょう。 これが、あなたもよくご存じの、弁天通りとかだったら、果たして写真は撮れるのか? やっぱり無理だろうかな、と話をしております。なので、ここは地元を知らない者が、撮る義務がある、ということで。 なんか、だんだん物がなくなっていくに従って、むしろ哀しさ・寂しさが募っていくんですよ。 おい、ここに何もなかったみたいにすんなよ。て。 行けるときに、行けば良いと思うので、ご無理なさらぬよう。 くれぐれも。ね。
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47__xxy at 2012-03-31 18:34
この自動車学校は、昔高田松原のそばにありまして、よくキャンセル待ちのときには松原の海岸で過ごした思い出があります。
何年か前に高いところに引越したんです。その跡地に大きなショッピングセンターが建てられたのよね。 ちなみに私もその自動車学校の卒業生です。
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degipochi at 2012-04-01 01:37
47__xxyさんへ
やっぱりね、そんな気がしてアップいたしました。 でもその昔は松原の近くだった、とは(当然)知りませんでした。 そうだったんだ。 けっこう見かけますよ。教習車。見かけるたびに、ちょっと複雑な、でも、今だからこそ頑張って~て応援したくなります。
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