どんな夢にむかっているのか
沿岸部を一歩離れると、県内の人にさえあまり知られていない、陸前高田の今の光景を見てください。

陸前高田は気仙町(高田より気仙沼寄り)のおばちゃん家に泊まった時のこと。すごいぞ、ほかんとこではあんなのは無いから見てけ、と言われて、町へと日の出を見に行きました。
b0067012_1403176.jpg

まだ暗い。写ってる出光は、それはそれは頑張って震災直後から再開しているGSです。ここのところ影が薄い。
なぜかと言うに、立ち寄ってガソリン入れようなんてとても思えないくらい、ものっっっすごいダンプの交通量なんです。
場合に寄っては気が付かず通り過ぎてしまう。
b0067012_14545896.jpg

坂を降りればすぐ海、そしてすぐこの看板。
b0067012_1491995.jpg

うしろに写り込んでいるもの。 これ、知ってる人は「ああ、あれが・・・」と思うかもしれない。まぁ見ててください。

とにかく今の陸前高田はものすごい、建設ラッシュならぬ「土砂ラッシュ」です。
10メートルのかさ上げが決まったからと言うことで、かつての町の中に土砂を積んで積んで積んで・・・・
b0067012_14174766.jpg

あまりのダンプの多さに、町に入る前にあちこちで「高田に行くの?ダンプが多いから事故らないように気をつけてね」と声をかけられるくらい。
せっかく国道バイパス沿いに八木澤醤油店が可愛らしい店舗をオープンしたんだけど、
交通量が多くてなかなか寄れないくらいです。なんて言うか、、、
b0067012_14212327.jpg

荒れた感じです。 この看板も、なぜ倒れたままなんだろう。けっこうこういうのが点在する。

まぁ先に行きましょうか。 日が出る前に。
b0067012_14231778.jpg

震災後三週間。まだ生きていた一本松に会いに、整備どころかまったく手つかずだった道無き道を歩いて来て以来です。

今は、国道の反対側に立派な(スペースの)駐車場が出来、観光バスが発着し、観光客がのぼりを立てて訪れます。 ・・・・これがまた距離が有るんだな。
地元の方に聞けば、一本松のところでまた地震を食らったら、津波がくる前に高台まで逃げるのは、老人の足ではとても無理、という計算だそうで。あの駐車場遠すぎるって。

えっちらおっちらと歩いていると、だんだんに見えてくる一本松(レプリカ)。
b0067012_14354249.jpg

しかしその前に、壮大に、立派に、まぁ言っちゃえば一本松が見えないくらい巨大な
b0067012_14374465.jpg

かような物が立ちふさがっておりまして。
b0067012_14382660.jpg

もうね、
b0067012_17291333.jpg

とにかく、
b0067012_14385734.jpg

(こちらの看板は、かつてここにあった建物のものです)

実際見てみないと信じられないくらい、立派。でかい。これがでかすぎて、
b0067012_1445567.jpg

車で走っていると、一本松なんて見えない(左の隅っこに幹部分だけ)。 あんなに話題になって、手間もヒマもかけて作り直したのに。

では、この近未来のチューブ-地下鉄-みたいな、橋のような物は何かと言うと、
b0067012_14511864.jpg

土砂を運ぶ、ベルトコンベアーです。
b0067012_17134999.jpg

愛称「希望の架け橋」と言うんだそうですが。。。。
b0067012_17162023.jpg

star warsとかに出てくる、巨大で原始的な四本足の機械のように見えます。

もしくは、かつての川崎とかのメガ工業地帯が、こういう景色をしてたよね。
b0067012_14525799.jpg

で、町の西側にある山を切り崩してですね、かつて松原が有った海沿いを、この夢の架け橋フル活動させて、日々ものすごい量の土を運んでいるわけです。
b0067012_14523954.jpg

これを町の中に積み上げて、植生をうっすら施し、その上に7階建てだかの住宅を建てよう、てことだそうです。しかもとてつもないスピードで。
b0067012_1752233.jpg

なので、信号・電信柱さえほぼ無いかつての市街地だった道路を、土煙あげてダンプが行き交うと言う光景が、ここのところずっと続いておりまして、他の町では走っている一般車が、まず町の中心部には入ってこないし用もないし、自分の町であろうに住民と見られる人はまったく姿を見ないし、ただただ土木現場です。

そうそう、で、日の出を見ようと向かった「奇跡の一本松」ですが。

ここからは、写真を並べますんで、ご覧くださいませ。
b0067012_17273268.jpg

b0067012_17294556.jpg

b0067012_1730737.jpg

b0067012_17305287.jpg

b0067012_17312976.jpg

b0067012_17324159.jpg

b0067012_1733106.jpg

一本松じゃないやね。どこまでも、工事現場の一部となっている。で、その奥にたぶん放置されているユースホステルと、壊れた水門。これはずっとそのまんま。
そして、異様なまでの存在感をはなつ、巨大な工事施設。
b0067012_17445732.jpg

b0067012_17451145.jpg

この光景は、ほんとうに町を再び作るためのものなんだろうか。

子供たちがあのチューブの名前を決めました、とか書いてあるけれど、その子供の姿は町の中のどこにも居ない。
b0067012_1319312.jpg

こうやって塩でやられた地面に、ふたたび花が咲くように一生懸命手入れしている人も居るんだろうけれど、姿はみえない。ただダンプの粉塵を浴びて揺れています。

そもそも、待って待って待ちきれなくて、もう高田に戻ることをあきらめて、となり町の住田町やもっと内陸に移住する人も後を絶たないと言う。
高田のおばちゃんちのはす奥にも、水田を埋め立てて復興住宅が建設される予定だけど、すでに当初の入居希望者三十戸が十一戸まで激減している。

懐かしい町の形をすっかり変えて、その上に土砂を10メートルも積み上げて、コミュニティもすべてバラバラになって、いったいどれくらいの人がそこに戻ってきたいと思うだろう。それを「再び高田で暮らしてる」、と簡単に、ハッピーエンドと出来るのかな。

かなりの人がいびつと感じて反対した一本松が、
b0067012_1755147.jpg

それでもなお、かつての町をかすかにでも思い起こさせてくれる唯一の風景になっている。それだって、もうほとんど見えやしない。
b0067012_17564043.jpg

こんなふうに、独りで凛と立ってた松が、もし枯れずに残っていたら、
今の周りの風景は、松にとっても寂しかろうと思います。

おばちゃんがすごいぞ、見に行ってこいと我々を送り出した、
あの「すごい」のほんとの意味は何だったんだろう。


ポチよろしくです。
にほんブログ村 犬ブログ アメリカンコッカースパニエルへ

はい今回、二頭とも出番ございませんでした〜。仕方ないよね。
by degipochi | 2014-05-26 13:20 | 陸前高田 | Comments(2)
Commented by miyaneko_nya5nya5 at 2014-05-27 09:57
4月に行った時感じた違和感がこの記事読んでさらに鮮明になりました。
50年後、100年後に嵩上げの決断が良かったんだと思えるといいのだが。
住んでる人が愛着が持てるのかな、この方法で。
Commented by degipochi at 2014-06-02 02:08
ミヤネコしゃん
ねぇ。    ・・・・・・・ふぅ。
違和感は、去年からあったんだけど、今年に入って「えっなんだこれ」 てとこまで来ましたな。
何目指しているんだろうね。見えない糸と見えない立派な機械で豪華な衣装を織って行く、
「裸の王様」をどうしても思い出しちゃって。信じて向かって行く蜃気楼よりたちが悪い。


<< ちょっと横道に隠れ家が 陸前高田の山は春 >>