カテゴリ:墓碑銘( 6 )
風のように
マリちゃんが突然、ぎゃわわわぅっととてつもない声を出して走り出したので、あ、じぃじが来た。と思った。
よく、連絡もなくふいに鍼灸院に顔を出し、「ほれ厚揚げ。買ってきたぞ。ほれ、マリちゃん、そーかそーか腹減ったか~」と
どこの誰よりも甘く、マリちゃんにオヤツを大盤振る舞いし、そのおかげでいつもいつも大歓迎されてるじぃじである。

でも、走って階段のとこまで行ったマリちゃんが、猛烈な声でひとしきり「じぃじっ来ただなのっ」とアピールしてたと思ったら、
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ぴたっと黙って、なんか、じぃ~っとあらぬ方を見るように固まったので、ありゃ勘違いだったかなと近くまで見に行った。

だぁれも、居なかった。


その10分後。 ばぁばから電話があり、じぃじが倒れたと言った。もう、意識がないと。

そしてそのまま、じぃじはもう、還らなかった。ばぁばの、おかあしゃんの、マリちゃんの大事なじぃじ。

せっかちで頑固で優しいじぃじは、倒れる直前、一足先に身体を抜け出して、マリちゃんに会いに来てくれたのかも知れない。
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あまり見えなくなってた目と、きしむ身体から自由になって、風のように軽やかに、そしてこれまでどおりにせっかちに、

「ほら、マリちゃんっっ オヤツ欲しいひと~っっ」って、マリちゃんと一緒にバンザイしたくて。

マリちゃん、じぃじは笑っていたかな? 笑ってバイバイしたのかな。 教えてくれても良いと思うんだけど、
それはマリちゃんの心の中だけにそっとしまってあるのかも知れません。。。。

by degipochi | 2013-10-04 00:21 | 墓碑銘 | Comments(9)
温泉仲間、逝く。
岩手の友達、バロン君が長い旅に出ました。
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知る人ぞ知る、国見での温泉仲間であります。 

伊達や酔狂で湯治に行っていたわけではない
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本気でカビに四苦八苦していたマリちゃんに、もっとも親近感を持って近づいて来てくれた、犬生の先輩。
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不幸な過去があったのにも関わらず、あの態度のでかい無愛想なひめポチに、治るからね~オレが付いてるからダイジョブだよ♪
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湯加減はどう? 熱かったら埋めたらいいよ、そしたらオレも入る♪ と温泉通のワンらしいアドバイスを連発し、
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優しいのに時に、ちょっとその性格が暑すぎて、ちっと冷たくされたりして、

でも、ぽんちゃんみたいに尻に噛み付かれたわけでなし、あれは、今考えると“ツンでれ”だった。

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とつぜん増えた、ハチャメチャ若人にもしっかり挨拶してくれて、うちの連中からすれば、あんないい先輩はなかったな。

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最初に会ったとき酷かった背中の皮膚病も、国見のおかげか夏にはすっかり良くなっていた。

なのに。 来月の半ば、また国見に行ったら、会おうね。て言ってたのに。





いや、きっと彼はいる。バロンくんは国見で待ってる。

もしマリちゃんが、「あぁ~良い湯だ~」と言いながら、だれもいない空をジッと見て動かなかったら、そこには
待ち合わせの約束通りに来たよ、てバロンくんが、軽やかに座ってるんだと思う。

バロンくん。今年もちょぺっと風呂で、会おう。

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by degipochi | 2011-05-31 23:40 | 墓碑銘 | Comments(16)
自由になって、どこに行くんだろう
先日、マリちゃんの「おぢちゃん」が亡くなりました。 
変わり者だった父の弟であるおぢちゃんも、負けず犬と甘いモノが好きで、やたらと寡黙で、元気だった頃は、怒ってるのか実は面白がってるのか、もしかして居眠りしてるのか、まぁ何を考えてんだか分からない人だったけど、病の影が濃くなるに従って優しくなり、専門医としてサラっぴのテンカンにも心を配ってくれ、「ほら、あのテンカンの子犬どうした?」と会う度に彫りの深い額にしわ寄せて、身を乗り出すように相談に乗ってくれました。
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長い人生の最後まで、現役を務め、好きな山登りも花を見に行くのも、拾ってきたいい枯れ具合の桜の杖に、愛犬の顔を彫るのも、ぜんぶぜんぶ時間が足らなかったね。

でもね、おぢちゃん、不思議なんだよ。
もうおぢちゃんの病室での義務が終わった頃、昨日の夜、と言ってももう深夜なんだけどね。
マリちゃんが、誰もいない部屋の真ん中をじーーー と座ったまま見つめて動かなくなって、あのドングリまなこをでっかく見開いて、耳を傾げてた。
そこによく知ってる誰かがいて、大事な話を聞き漏らさないようにしてるみたいだった。
後ろから声かけても、ぜんぜん動かなくて、前に回って名前を呼んでも目が合わなかった。
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あの時、長い休暇旅行に出る前に、うちに寄っていかなかった?
それで、マリちゃんとも話が出来るようになってて、なにか頼んでいかなかった?

今日、棺の中で見たおぢちゃんの顔は、静かで、穏やかで、もう引っ越しして人の住んでいない家のようだった。

重たい殻を抜け出したおぢちゃんは、今どこに自由にしているんだろう。

マリちゃんは、なんだかよく知ってるようなんだけど、鈍い我々には、一っ言も教えてくれないんだよ。。。。。

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いつもご訪問いただき、ありがとうございます。と言うことでですね、ちょっと取りこんでおりました。
コメントも頂いていたのに、誠に申し訳ないです。。。。 ご訪問にて替えさせていただきますね。よろしく。
by degipochi | 2010-09-07 01:07 | 墓碑銘 | Comments(18)
櫻に寄す
櫻が満開になりました。 咲きかけて寒さに縮こまり、ようやくたわわに花開いたな、と思った端から散っていきます。
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もう少し咲いていればいいのに。 せっかくあんなに時間をかけて満開になったのに。立ち止まりもせずはらはらと。

去年の暮れもおし迫った頃・・・・。
by degipochi | 2009-04-08 09:25 | 墓碑銘 | Comments(12)
バイバイのあいさつ
   ブログのお友達へ
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   とってもあたたかい言葉で、マリちゃんを励ましてくれてありがとう。
   実はマリちゃん、ここ何日か、おなかの調子が悪かったです。
   「シンインセイ」の下痢とかで、よくわからないけど、すごいショックだったみたい。

   でも、昨日あたりからずいぶんいいです。おなかも鳴りません。
   (ちなみにおなかはずっと減ってました。く~きゅるきゅるきゅ~でした)

   そして今日、みんなの言葉で、とっても元気が出ました。
   そうだよね、マリちゃんが元気なほうが、おばちゃん嬉しいよね。

   明日からまたがんばる、元気なマリちゃんになります。





                                さんきゅ。  でした。
by degipochi | 2006-03-16 18:38 | 墓碑銘
バイバイ、おばちゃん
元気に銀座でお買い物をして、帰りにパン屋で家族へのお土産のパンを選んでいる時に、

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マリちゃんの大好きなおばちゃんのこの世の持ち時間は、終わってしまいました。

浅草に、今年の夏も行こうと思っていたのに、
一回くらい旅行も一緒したいと思っていたのに、
マリちゃんのスケジュール表はどうする、おばちゃん。

ソースにも醤油にも、ケチャップにもあう、性格そのまんまのコロッケも、
デミグラスソースは正しいとしても、その他使うはずのビールは日本酒に、
「タマネギだけ」が正式だっつーのに、ニンジン・カブ・エノキダケの果てまで
入ってしまう謎のハヤシライスも、
91歳にしては力技な、数で勝負の餃子も、もう食べられません。

最期に挨拶に行ったおばちゃんの顔は、ちょっとマリちゃんにはひんやりでした。
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     また、どこかに行こうよ、おばちゃん。

     しばらくマリちゃんからは、連絡の取り方がわからないし、
     犬なのでお手紙も書けませんが、
     この、おかあしゃんのブログというものなら、
     きっと、いま近くにいる誰かが、使い方を教えてくれるでしょう。

     見てくれているといいな。

    

   おばちゃんへ。
    
    こちらはみんな、元気です。マリちゃんも元気です。
    パン屋さんで、最後におばちゃんがかばんの中にさり気なく滑り込ませた、
    「スイートチョコマロン」の札。

    あれが買いたかったんだったらお送りしたいですけど、
    アンパンのほうがいいよね?

    キムラヤのパン、送りますからそっちでみんなで食べてください。
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                        つぶアンのほうがよかったかな。
by degipochi | 2006-03-15 23:50 | 墓碑銘 | Comments(17)