カテゴリ:ゆりあげ( 2 )
閖上の、朝市に集う
あの日、りんしゃん一行と待ち合わせしたのは早朝6時半、私としてはまだ布団にしがみついていたい時間でありました。
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だって仕方ない、ゆりあげ港朝市は6時に始まり、アッと言う間に車はいっぱいになっちゃうって言うもんで。

で、待ち合わせしたのは名取のインター降りてすぐの「ミニストップ」。じゃ、明日ここで♪ていう約束のメールのあと、りんママから
「ちなみにその待ち合わせのコンビニあたりが、津波の最終到達地点です」。。。。。

そうだった、名取の津波は、仙台東部道路にぶつかって止まったんだった。。。。
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時間ピッタリにりんしゃんcar登場、走り出すとすぐに、何度も見て・聞いて、その名を知ってる地名がずらりと並びます。
この五叉路も、この先にある大橋でトレーラー事故のため渋滞してしまい、結局ほとんどの車が逃げられなかった場所です。
(橋の上で積み荷を・・・と言ってもあれは電信柱みたいに見えた・・・散乱させたトレーラーは、まだ津波の到達しないヘリの映像の中にも、はっきり写ってた。 あれを、五叉路に並んでいたドライバーが知っていたら・・・情報は、あまりに格差がありました)
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あ、ローソンが閉店してる。 りんママのブログで、頑張っていち早く、瓦礫の中で再開したって書いてあったローソンが。

仕方ないよね、とりんママ。 だって、この周辺には、ほとんど人が住んでないんだもん。
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電信柱だけが、新しい。 あとはひたすら、緑・緑・緑。
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橋だって、ごく当たり前に欄干がありません。もがれた痕は、あります。

向かう途中に、閖上中学校
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手前のガードレールが、両側に倒れたままです。そして、中学校の時計は、
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震災の2時46分で止まったまま。

そう、ここの時間は止まったままなんだ・・・・となにか水の中にいるような寒さを感じながら、ハンドルを握り直しました。



そして到着した、朝市会場は、ビックリ!
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すでに車は、満車のような状態です。 「ような」と言うのは、駐車場自体が「駐車場のような」状態だからで、
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停められるところなら、どこに停めてもオッケーというある種自己責任? ↑これも駐車場なら、↓これも駐車場。
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↑ここまではよくある縦列だが、さらに時間が経つと、こうなる↓。
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かつての誰かの家のガレージが、活用されているわけです。良い悪いではなく、これは「仕方ない」。
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さて、いよいよ朝市の会場へ。
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ワン可へ有りと、前向きに勘違いしているひめポチを筆頭に、ぞろぞろと繰り出します。
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これが、なかなかの人出で。 さすが仙台、他の町には無いイベントの参加者数。
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そのあたり、ちょっと東京に似ているかも知れない。これが岩手の各沿岸部の町だったら、どんなに良い出し物があっても、
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これほどの人・車・出店者を集めることは到底無理でしょう。久しぶりに見る、雑踏です。
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テントの、すぐ裏にある運河は、まだこんな感じですが。

ごった返すなんてもんじゃない、ぎゅむぎゅむ言わないと先にも後にも動けないテントの間を徘徊すれば、
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まぁいっぱい海産物があるある。魚から貝類から、刺身から加工品から、
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なぜだかコロッケ屋さんまで。 この店、大人気で、テント群から出てくる人のかなりの割合が、ここのアジフライ頬張ってました。
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東京っちうところは何でもあるでしょうとよく言われるけど、こんな朝市で買うような艶々ピカピカで活きのいい筋子とか、縁が無くてよ。

この他、ホタテや開いた魚をセルフで焼いて食べるコーナーもあり、どこも良い匂いが充満しておりました。
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見回せば、いったいどこのだろう、テレビ局がいたり
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こんな、トウの立った大御所なんか逆立ちしたって敵わない、そりゃ~もう縫いぐるみのように可愛い若人が居たり。

賑やかだなのよ♪


傍ら、こんな建物もある。
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お洒落な、木の香り豊かな平屋建て。 中は、物産展と震災・津波の写真など防災展示になっています。
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ここで、船に思いを乗せて、とか書いてあると、ちょっとドキッとする。
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中にも人はけっこう居りました。 なぜって、何を於いても涼しいからですわ。 この日の仙台・閖上は暑かった!
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何度だったのかな。たぶん33℃くらいじゃなかろうか。同日、もうちょっと遅い時間、酷暑の地ネリマは39℃の記録出してました。 
そんなとこに帰っていいのかよと思いつつ。39℃なんて、犬の体温より高いぞ。正気の温度じゃないぞ。


しかし。  不思議な感覚が消えないんですよね~。片や、魚だ野菜だと活気づき、車も人もごった返しているのに、
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その車のすぐ横に、こんな建物がそのまま残ってたりするし。
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住居の跡も、すっかり緑で覆われ・・・・・ていうと穏やかだが、この雑草の勢いは、
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はっきり言って、怖い。住まなくなってしまえば、植物というものは容赦なくはびこって、人の痕跡をかき消してしまうのが想像できて。

でも、またこれが、「植物は怖い」とばかりとも言えず。。。。
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昨日書いた、閖上湊神社の横にあるコスモスや向日葵の花畑は、何もなくなった地面、塩と砂にまみれた荒れ地に
ふたたび花畑を作ろうと、何人もの有志が大変な手間暇をかけてあそこまで育てたものです。
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あのコスモスは、ここはただの荒れ地ではない、人が居るんだよっという声なきアピールでしょう。

なににせよ、この景色、この矛盾がここの日常です。
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人も美味い物を食べに来るし、犬も飯を食う。
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とにかく今日も元気だし、天気も良い。すれ違う人は犬にニコニコしてる。それだけでいいかな?ていう気持ちになる、仙台は
閖上の朝市でした。 私個人としては、朝早すぎて胃袋が目覚めず、セルフ焼き魚コーナーにチャレンジできなかったのが悔やまれる。

また出直しましょう。

ええ、ぜったいまた、来ます。仙台なら、冬でも来られよう(寒いという感覚を忘れてる)。



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閖上湊神社のハンカチです。きっと御利益が有るでしょう。

by degipochi | 2013-09-15 03:08 | ゆりあげ | Comments(2)
閖上の、たこ焼き屋さん
ねーちゃ月曜に帰ってきます。パワーアップしてスリムになって、たぶん越後の大魔王叩きつぶして、台風18号引っさげて。
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なにも出所すると決まった途端に、台風発生しなくてもいいと思うんですけど、これもまた運。ドラマチックに生きてます。

で、きのうの東京新聞の朝刊にですね、こんな記事が載ってました。
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読める? ちっと字が小さくてごめん。 でもたこ焼き屋のおばあちゃんの文は読めますでしょうか?

閖上(ゆりあげ)。

ひめポチ一行が、これまで行ったことのない、仙台郊外にあって名取川の大氾濫と津波により、壊滅してしまった町です。
いつも行くたびお世話になっとる、りんしゃん一家が釣りだの買い物だの、ボードだの食事だのと親しんできた町です。

そして、これが閖上のばあちゃんの、「串たこ焼き」です。
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よく買ってたんだって、このたこ焼き。ちょっとソース味が利いてて甘味があって、ふっくらカリッとした味わいです。

「すっごく美味しいって訳じゃないけど、懐かしいんだよね~ 屋台の味みたいで」とりんママは控えめに語っておりました。
「よく知ってるはずの場所なのに、ここがどこなのか分かんなくなっちゃうんだよね」とも。
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ほんとに、この旗が目印みたいな感じらしい。 あの角を曲がって、○○屋さんとこ入って・・・・みたいな記憶が、何の役にも立たない。
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初めてこの場所を訪れる私の目には、そこに幻のように町の記憶は立ち上がってこないけれど、りんママの目には
ブレるように滲むように、かつての町並みが見え隠れするんでしょう。 
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一緒にあちち、とたこ焼きつつきながら、絶対に共有することのできない体験が、川のように二人の間に横たわってるようです。

海からも名取川からもほど近い、この閖上2丁目という町中にあったお店。
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その向かいにある、日和山山頂に再建した閖上湊神社。 これが、現在のたこ焼き屋さんの目印です。

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かなり高い小山になっているけれど、津波はこの山頂の御社も押し流してしまいました。
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再建された、富主姫神社。 ソーラーが電力源です。丘から見下ろすと、西側の県道だけには電信柱が建ってますが
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県道を越した向こうのエリアや、神社の北側、名取川方面には、一本の電柱も建ってません。 
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ここから先に、家は一軒もないということです。 夜は完全に真っ暗になるんだな。。。


私事でありますが。
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あの日、地震でけっこう滅茶苦茶にひっくり返った自宅の三階で、慌てて点けたテレビにまず映っていたのが、ここでした。
最初、よく分からなかった。なんだか見たこともないスピードで川が動いてる。。。アマゾンのポロロッカみたいなことが起こってる?
なんだこの川と見ている画面が俯瞰して、周りを映したとき、猛烈な勢いで水が遡上しているのは川だけでない、と知りました。
町が、きちんと整列したビニールハウスが、美しく水をたたえた田圃が、いやそれだけでなく全力で走る車が、みるみる飲み込まれてく。

それを無言で追いかけていくヘリのカメラが、ふたたび海の方向を映したとき、もうそこに、さっきまで有った町は無かった。
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あってはいけないことが、今目の前で起こっている。。。。 という衝撃。なにかしなくちゃ、でもなにも出来ないという焦れったさ。
安全な練馬で、テレビに映ってる映像をのうのうと見ているという後ろめたさは、日を追うごと小さくなるものではなく、
長い間、私の足も目も、閖上いや仙台の名取川周辺には向きませんでした。
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行っては悪い、という変な罪悪感みたいなものが、拭い切れませんでした。

でもね、来てみて思った。 やっぱり来て良かった。 良かった、と言う表現は変かもしれないけど、良かったとしか言えない。

ここでも、人は笑ってる。 笑顔で、でっかい声で、来てくれて良かった~と言う。そして、また来てねと言う。

そっか、来ていいんなら遠慮なく来よう、そして震災後2年以上経って初めて来た人間の、見たものをそのまま伝えよう。

たとえば、
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このへんにだだっ広い、閖上湊神社の駐車場。 この地面をおかあしゃんが撮ってました。
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何この写真、被写体が分かんないけど、撮りそこなったの? と削除する気満々で聞いたら、
「そこ、歩道だったんだよ」

よく見ると、画面左に、うっすらと「視覚障害者用の歩道」が・・・・・・  ああ、ここには確かに町があったんだ。

それ以外にも、コスモス生い茂る足元に、
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可愛い柄が、かえってもの悲しい。

こんなささやかな、でも町にとって大事なかけらであったものが、誰にも見られずに今も点在しているのです。
住民の高台移転が決まった、この閖上という地区がどうなっていくのか、今この場所に立っていても想像はまったく出来ません。

でも、ここがこれから人の住まない場所になってしまっても、この小さな町のかけら達は、ずっと町の記憶を抱えていくでしょう。

ばあちゃんのたこ焼き屋さん、また食べに行きたいな。初めて食べたけど、懐かしい味だった。
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次回、もうちょっと海に近づきます。 朝市、やってるんですよ。 せっかくだから覗いていきませんか?



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by degipochi | 2013-09-14 02:04 | ゆりあげ | Comments(3)