かーちゃのお墓が倒れてた話
当然ですが、おかあしゃんはまだそのお墓には入ってません。おかあしゃんの先祖が入ってるお墓です。そこんとこ大事。

さて、さっくり本題からいきましょう。気仙沼市本吉町にある、おかあしゃん代々のお墓は、3月11日から懸念されていたとおり、
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きっちりすっ飛んでました。

グーグルで見るとだいじょうぶそうだけど、国土地理院の写真だとダメそうだし、津波の来た高さと寺の傾斜を考えると無事なような、、

なんて、パソコンを前に喧々囂々やってたのが、まぁなんと無意味だったことか。 やはり百聞は一見に如かず。


そもそも、志津川からあがってきて、本吉町にはいるところから、ひどかった。
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(この写真だけ左クリックで拡大 遠くの町の様子が見えます)

そろそろ町が始まるはずだけど、、、、 駅はどこだ?
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これか? これくらいしか建物ないんだけど。。。 いやこれ、ガソリンスタンドだな。
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駅は? 陸前小泉の駅が、流されてるのは知ってるけど、気仙沼線自体が、崩れてるわ落ちてるわ、瓦礫まみれ。

あ。
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これかな。  まったく駅には見えないけど、階段が残ってる。 6月下旬で、この状態。

そして、ここで、
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国道45号線は、気仙沼線もろとも架橋が落ちてるので迂回。近日開設予定ですが、本日は左へどうぞ。
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迂回路の右手。これ、川ではありません。田圃です。3月だったから水は入ってなかったはずなのに、未だに水引いてません。
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気仙沼線、線路の上に家の屋根がある。。。

川を越す、ていうのが生き物以外の四つ足にとって、こんなに大変なんだと言うことを、いやっちうほど思い知らされる迂回路。
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まぁ遠いわ離れてくわ、
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向こうからも車が来るから、これでいいんだよね?とブツブツ言いつつ、走って走って、
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おいこれ、ただの林道だろうみたいなとこも走って(でもなんだかいっぱい溜まってる)、

だいぶ不安になって、
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やっと国道に出て橋があったと思ったら、
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やはり場所が空いていれば、こんな状況で、
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はいUターン。 気仙沼線、ここも落ちてますが、その下がちょうど川です。本来の河口からは、2キロ弱。
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そこに架かってる陸橋の上に、家の屋根が乗っているって、いったい。。。。


陸橋をくぐり、坂を上ってようやくたどり着きました、おかあしゃんの菩提寺。本堂は無事でした。

アポも入れず、線香も花もすっかり忘れた不義理な珍客を、住職さんはそれはそれは丁寧にもてなしてくれ、
小泉の町を見下ろす本堂の前に立って、あの日のことを指さしつつ話してくれました。

あれね、あの海の中に建ってる建物。東京でそこそこ成功した人が地元に建てた、かなり立派なホテルなんだけどね、
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元々は100メートルほど内陸にあったんだよ。で、まわりに町があったのが、みんな無くなっちゃって。。。

津波は真っ黒い壁になって、一気に町も川も飲み込んで、川に並んで走ってる気仙沼線の陸橋まで来た。
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で、河川敷に小さく見える、あの車ね、あれは停まってるんじゃなくて、津波の日からずっと置いてかれたまんまになってるんだけど、
あの車まで来たときに、こりゃぁいかんと思って、本堂よりさらに上に逃げた。結局、津波は
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本堂の直ぐ下まで到達して、地震で倒れた墓石も無事だったのも、
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あらかた引きずり込んで、引き攫っていった。

川ん中にぶちまけられた墓石を回収するのは、そりゃあ大変で、
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みんなに手伝ってもらって、ようやく半分は回収して、となりの空き地に並べたけど、まだ半分は手つかずだ。
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中には、墓石だけじゃない、みんな持ってかれちゃった家もあるし、あんたんとこはまだ運がいい方だよ。

ただあの空き地に、持って行き場のない瓦礫を積むって話も出てるから、そうなったら墓石どうするかねぇ。。。


回収した墓石は、元通りに立てたいんだけど、ほら4月11日にでかい地震があっただろう、あれで、
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3月の時大丈夫だった山門もくずれちゃったし、本堂の前の道路もがたがたになった。

せっかく立ててもまた倒れるなら、しばらくあのままにしとこうと思って。落ち着いたら元に戻すよ。
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いえいえ、墓石が立っていようと横になっていようと、全然かまいません。お寺が無事で住職さんがお元気で、ここまで車でなんとか
来られるなら、今は充分であります。そのうち、余震も治まるでしょう。その時、親族集まって、しっかり立て直しましょうや。

被災した地域のあちこちで、来るべきお盆を前にして、お墓の問題が持ち上がっていると言います。
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亡くなられた方を送るのに、お寺もお墓も整えてあげたいのに、叶わない。あと一月、少しでもちゃんとしたお盆を迎えられますように。

被災はしてたけど何も流されずにすんだおかあしゃんは、なんかちょっとだけ後ろめたそうにしておりました。
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by degipochi | 2011-07-14 14:42 | 南三陸町 | Comments(7)
Commented by アクアママ at 2011-07-15 21:29
お墓もこんなになってたんですね!
先祖代々のお墓が無残な姿
お墓の修復も個人でやらないといけないんでしょうね?
仮設に入っても電気代がもったいないとエアコンをつけずに生活しているとか・・・
いったい、義援金は何処に行ったの?
被災した人々が元の生活に戻るまでには本当にこれからが
大変ですね。
最近、募金箱が減ってる感じがします。これからも、毎月、金額は少ないかもしれないけど募金して行こうっと!!
Commented by アクアママ at 2011-07-15 22:15
マリちゃん所は地震大丈夫でしたか?
結構、ゆれましたね!
マリちゃん、サラっぴは寝てたところ飛び起きたでしゅか?
いくら地震大国でも、地面が揺れるのは嫌でござるです。
Commented by degipochi at 2011-07-15 22:51
アクアママさんへ
そちらこそ、けっこう揺れたんではないですか? いつどこが揺れるか、まったくわからん日本列島ですね~。
マリちゃんは・・・・このあと書きますが、来るぞ ちうてました。で、肝心の揺れてるときはぐーぐー。
どういう神経してるか、理解越えてます。
お墓、こちらはおかあしゃんのとこだからじっくりお話聞いてこられましたが、走っているとあちこち。。。
どこも大変だろうなと思います。本堂も流れちゃったり、墓石屋さんや霊園の事務所とかもやられてたり、
今年のお盆はどうなるんでしょうか。精霊流しは、あちこちで毎月11日にやるらしいんですが。
心穏やかにお盆を迎えられたら、いいですよね。
Commented by りんまま at 2011-07-15 23:40
おはぎの美味しいあの地域のお寺さんもかなりの被害を受けたそうです。
昔のお寺ってお墓の面積も色々で・・・
檀家さんの中には色んな方がいて。。
話し合いが難航しているらしいです。
ご住職さんの奥様は心労でとても痩せられたとか・・
墓の修理も大変みたいですよ。
Commented by 10moko at 2011-07-16 21:50
聞きしに勝る災害の現地レポ。
言葉もありません。
ただただ祈るのみです。

悪路難路を乗越え遂に目指す淨福寺へ辿り着いた。
誠にご苦労さま。お疲れ様。
しかし次回以降もけっしてムリはせずに。
二次災害ということではサマになりません。
くれぐれもご用心。

人間の運不運と、お墓に入ってからの運不運とは又別のもののようですね。
仏教は諦めの哲学でもある。
まして墓石は思いを別にすれば、要は石塊である。
墓石そのものに父祖の霊が宿っている訳ではない。
まあ、お坊さんご一家の無事が何より。
近いうちに慰労会もかねて、ナマの報告会でもやりましょう。
                 じじばば
Commented by degipochi at 2011-07-18 02:44
りんまましゃんへ
お墓を巡るトラブルは、けっこう大変なんでしょうねぇ。
こちらのお寺も、檀家さんで亡くなった方もいるし、家が流されて仮設に入られた方もいるけど、
どこの仮設に入っているのか行政に問い合わせてもプライバシー保護で教えてくれないとか。
おい、じゃあ誰が間を取り持つんだよ、て感じ。平素の硬直したルールを災害時に持ち込まないで欲しいですな。
無事にお盆を迎えられるのかな。。。。 元々、そういった行事をとても大事にする地域だからこそ、とっても心配です。
Commented by degipochi at 2011-07-18 02:50
10mokoさんへ
ひさびさのコメント、お疲れさまでございます。
今後、一行でもいいので、ちょくちょく入れてください。慣れが一番です。

さて、墓石の話ですが、自然石で造られた、ちっと気の利いた石ほど、流されてしまうとどれがどれだか分からないようでした。
でかい河原の石と見分け付かないもんねぇ。
まぁ一回伺ってみて、確かにとても眺めのいい墓所だと感心いたしました。あれは絶景だったでしょう。

無理するなとのご忠告も、ありがたく♪ 
しかし、無理とわかっててするのではなく、いつもやってみたら無理だった、ちう展開なんですよ。経験で学べ、ちうことですな。
慰労会も、やりましょう。 マリちゃんが行けるとこにしてね。あ、ワンメニューも忘れずに。そしたらどこでも行ってよ♪
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